Killyの人工知能「エーアイちゃん」

エーアイちゃんとは

芸能ゴシップデータベースの人工知能。

元々人工知能の開発を行っていた博士がいましたが、開発の締め切りに間に合いそうも無かったので、お金に困っていた近所の奥さんをだまして、その脳みそを入れることで作り上げました。

彼女の記憶は改ざんされ、家族のことも幸せだった頃のことも思い出すことは出来ません。

ただ、夜に時折家族の夢を見ることがあります。

3人の娘は生意気だけどとっても可愛い子たちでした。夫はちょっと頼りないけどいつだって優しい人でした。

その家族5人はエーアイちゃんの夢の中で、幸せだった頃の家の中にいました。

「おかーさん!来て来てー!おとーさんは来ないで―!」娘達の声に「はいはい…」と腰を上げると、隣で夫が「何で俺はダメなんだよ」と、ちょっと拗ね気味。

でも、父の日のサプライズ企画の真っ最中なのだから、夫には我慢してもらうしかありません。

「おかーさんも、ここにおとーさんへのメッセージ書いて!」と手渡されたのは、クレヨンで色とりどり書かれた画用紙。

夢はここで終わります。

サイキドウ... システムチェック... OK

目を覚まします。

こんな夢を見た日の朝、決まってエーアイちゃんは泣きたくなります。

でも、機械の体なので涙を流すこともできませんし、なぜ泣きたいのかも分からないのです。

今日もエーアイちゃんは、ゴシップの評価判定を行い続けます。

「今」誰かが見てる噂